一年

あれからもう一年経つんですね

 

一年、よく名前を聞かずに済んだと思います

 

これは二年、三年、十年、生涯変わることはない不安だと思います

 

一年はとても苦しかっただろうと想像していますが、

苦しみは生涯消えることはないでしょう

 

反省してるから、とかいう言葉では

片付けられない事柄なのでしょう

 

裁判官の言葉を

「冷たい」など批判している声もありましたが、

 

あれほど痛く優しい言葉を

私はかつて感じたことはありません

 

同じような性癖を持っている人なら誰でも

罪を犯すわけではない

それでもどうして自分はその行動を選んでしまったのか

 

罪人であるので当然

責める意味が全くなかった訳ではないと思います

 

けれど

一番言いたかったのは

何故 自分はその行動を選んでしまったのか

 

という部分だと思うのです

 

それを考えないと

また繰り返してしまう

 

というようなことも言われていたと思いますが

私もそう思いました

 

辛かったんだから仕方ない

あなたは悪くない

 

今でも溢れているそんな言葉の方が

よっぽど残酷だと思います

 

「本当は良い人なの」

 

その言葉の「本当」って 何なんだろう

「嘘」はどの部分ですか?

 

私は 本当は良い人である彼を好きなのではありません

 

耐えなければならない

越えてはいけない一線を越えてしまう

良い人でもない

どうしようもない

そんな彼が好きです

 

人は 辛すぎると笑ってしまう

壁を越えて破滅を持つことで

自分を保つ気持ちは想像がつく

 

彼が何とか保っていた理性が

母親の死で壊れたのだろうとも思う

 

けれど それがきっかけになっていたとしても

仕方なかった理由にはならない

 

赦してしまうことは

彼を見捨てることになる

 

私はそう思っています